静岡県の産院選び 2020年静岡県立総合病院 分娩の実際~体験談から~

ママ子の地元、静岡県清水区でよく友人に「いい産科病院を教えて」と聞かれます。実際、皆さんにとって「いい病院」とは何をもっていい病院なのか?ママ子なりに看護師目線(元々看護師しておりました)、患者目線での両面から考えてみました。

ママ子、第一子を2017年3月に「静岡県立総合病院」で出産し、翌年の2020年2月にママ子の友人が同病院で出産したので、今回は「静岡県立総合病院」の以前と今についてお伝えしたいと思います。

産院を選ぶポイント

静岡県のように分娩を行っている医療機関が少ない中、どのように産院を選べばよいのか?また、少ない医療機関の中でいかに自分の望む分娩ができるか、また緊急時の救急搬送される医療機関(総合周産期母子医療センター、地域周産期医療センターの違い)の特徴、静岡県中部の地域環境を含めて考えて行きたいと思います。

静岡県(中部)の分娩取り扱い医療機関

静岡市葵区(6) ・今井産科婦人科クリニック
・静岡県立こども病院
(総合周産期母子医療センター)
・静岡県立総合病院
・静岡市立静岡病院
(地域周産期医療センター)
・静岡赤十字病院
・依藤産婦人科医院
静岡市駿河区(4) ・くさなぎマタニティクリニック
・静岡済生会総合病院
(地域周産期医療センター)
・福間産婦人科クリニック
・ケイスリーエムまりこレディース
静岡市清水区(3) ・おおいしレディースクリニック
・静岡市立清水病院
・庄司産婦人科

※周産期医療の広場 分娩取り扱医療機関情報より http://shusanki.org/area.html

そんな中、出産する施設選びの決め手となるのはやはり知人や、親世代の情報をもとに選ぶ人が少なくないと思います。友人が「あそこの病院は奇麗だった」、「私の親があそこの病院だったからそこにする」などという決め方です。

一方、「自宅からの距離」や、「無痛分娩がある」、「不妊治療を行っている」、「設備の整った」施設を優先する方もいると思います。

実際、ママ子の友人もやはり友人からの情報やSNSなどによる情報をもとに、はじめは草薙にある某有名クリニックと決めていたよう。こちらのクリニックは不妊治療、帝王切開も可能で、とにかく施設がとてもきれいという点で魅力的と感じたと。

しかし、あくまでクリニックなので毎回の妊婦健診費用がかさむ点や、妊娠中や出産、産後に異常をきたした場合にはすぐに、転院や病院搬送という点の説明を受け、自宅から少し離れてはいるが(車で約30分弱)、静岡県立総合病院を選ぶことにしたと。

緊急時の搬送について

まず、あまり耳にしたことがない方もいると思いますが、周産期医療体制というのが厚生省で定められています。母体及び新生児に対する極めて高度な医療を提供する「総合周産期母子医療センター」、次いで周産期に係る比較的高度な医療を提供する「地域周産期母子医療センター」があります。静岡県内では、総合周産期母子医療センターが3施設(うち中部1施設)、地域周産期母子医療センターが10施設(うち中部は2施設)。

静岡県中部エリアでは、分娩時に母体や新生児に何かあった場合には、基本的に総合周産期母子医療センターである「静岡県立こども病院」に搬送になります。

また、妊娠中に母子に何かあった場合には、地域周産期母子医療センターの病院に紹介(もしくは総合周産期母子医療センター)されます。

もっと詳しく知りたい方は「厚生労働省 小児・周産期医療について」をご覧浮下さい。

また、生死にかかわるような救急時の連携は公的な仕組みづくりが示されていますが、そのほかの連携状況の確認も非常に重要です。妊娠中は予期せず突発的な痛み(特に腹痛)や嘔吐、貧血、めまい、出血など様々な症状に見舞われます。自分が選ぶ産院・助産院・病院が緊急時にどこの施設と連携しているか、受け入れてもらえる体制を作っているかも非常に重要なポイントですので、産院を決める際には必ず事前に確認しましょう

静岡県立総合病院の産科

それでは、以前の記事でも紹介したように、

我が家も2人目の出産準備が始まりました。 札幌に転居してきて初めて出産するので、「病院選び」と「出産費用」について考えます。 産院選...

産科選びでママ子が重視する、

「施設設備の充実度」「費用」「自宅からの距離(車で30分程度)」

の3点から静岡県立総合病院の産科について見ていきたいと思います。

1:「施設設備の充実度」

ママ子は分娩した当時(2017年3月上旬)

出産時に各病院の分娩費用って気になるので調べてみるものの、ほとんど詳しい事って書いてありませんよね…。なので、ママ子が実際に静岡県総で出産し...

と、現在の違いは、まず産婦人科病棟が新設された点と、高度救命救急センターとして指定(平成27年3月末)された点の2点でした。

静岡県立総合病院は静岡市葵区にある総合病院です。30を超える診療科と救命医療・医療連携を推進し、地域の皆さまに安心の医療体制を提供。加えて、循環器病診療・がん診療連携拠点病院として質の高い医療を提供しています。

・総合病院だからこそ、合併症妊婦、内分泌系、外科系などの治療・管理が可能

・紹介状がなしで妊婦健診、分娩希望の受け入れが可能
ほとんどの施設は紹介状を持参しなければ受け入れてくれませんが、静岡県立総合病院は紹介状なくても受け入れてくれます。しかし紹介状がない場合は「特別療養費として5,500円」かかってしまうようです。ちなみに、出産を希望する場合は事前に相談した上で、自然分娩の場合は遅くても34週まで、帝王切開の場合は遅くても30~32週までの受診をということです。

・LDRが計5部屋ある (和室1部屋、洋室3部屋、和洋1部屋)
LDRは陣痛から分娩、産後の回復(産後4時間まで)も備えた入院室。ベッドが分娩台に変わるため、お産の進行によって分娩室に移動する必要がないため、妊婦さんや付き添う家族の負担が少なくてすみます。ママ子の時はLDRが2部屋のみであったため、分娩が重なると使用できなかったり、産後4時間未満で退出しなければならなかったのですが、新設してから5部屋もあれば安心して使用できると思います。

和室はベッド近くにたたみスペースがあって大人2~3人は横になれるほどの広さです。

・4Dエコー導入
診察時に医師が行ってくれるようです。特別4Dエコー検査という枠というよりは診察時にという程度。料金は特別かからないようです。ママ子の時は2Dエコ―のみだったのでうらやましい!

・分娩時、急変した場合は静岡県立こども病院、静岡済生会総合病院に搬送
静岡県立こども病院までの距離が約3㎞、車で約8分と近い。NICUがあるため新生児の急変搬送。母体の緊急対応は主に貴院で可能(平成27年に高度救命センターに指定されたため)も、医師の判断によるようです。

・母親学級
妊娠中に受講できるマタニティエクササイズ、小児科医からの話などがある

・母乳外来(ミルキーママ外来)
産後、母乳育児での悩みで相談したい方が受診できます

・助産外来
助産師が妊婦健診や保健指導を行ってくれます。

・パパ風呂
入院中に助産師からの指導の一つにお父さんが沐浴の指導を受けます。

パパ風呂

パパ助による、パパ風呂の様子(当時)
慣れないパパに、助産師さんが横から入浴方法を、まさに手取り足取り教えてくれました。

2:「費用」

(1)分娩料

区分 時間

分娩料

平日(月~金)
(祝日及び12月29日~1月3日までを除く)

8:30~17:30まで

144,000円

6:00~8:30まで
17:30~22:00まで

169,600円

22:00~6:00まで

195,200円

土曜日
(祝日及び12月29日~1月3日までを除く)

6:00~22:00まで

169,600円

22:00~6:00まで

195,200円

休日
(日曜日、祝日、12月29日~1月3日まで)

全時間帯

195,200円

※多胎の場合は、一児増すごと、区分ごとに上記の分娩料を加算する。

(2)新生児介補料 5,000円(1日当たり)

(3)新生児用のおむつ 20円(1枚当たり)

(4)お産用費用  3,000円

内訳:臍帯箱1つ、お臍処置セット1つ、赤ちゃん用ガーゼ5枚、産褥用パッドL2枚・M1枚、ティッシュ1箱、使い捨てショーツ1枚、赤ちゃんのお尻拭き2つ、使い捨てT字帯、巾着(小)1個

(5)個室代 14,000円/日、28,000円/日

ママ子の時よりやはり分娩料が上がっています。約5万程度…

しかし、静岡県中部の他の施設と分娩費用を比較しても、かなり安いと思います。他の施設は食事や他のサービスなども取り入れているためだと思います。

3:「自宅からの距離(車で30分以内)」

静岡県在住の方は、ほぼ車での移動がベースにあると思いますので車での移動時間で考える方がほとんどだと思います。しかし中には陣痛時や緊急時に自身や身寄りが運転できない場合には公共機関、主にタクシーを使用という点で考えなければならないため、なるべく自宅から産院までは近いことに越したことはないです。

静岡市清水区の外れた地域はタクシーがあまり通っていないためタクシーを呼ぶまでの時間もかかることも考慮しなければならないところで、車で30分、タクシーでも(タクシーに電話、タクシーが自宅につく、病院搬送)遅くても30分以内の搬送が無難かなとおもいます

その他

・事前の申し出により、説明を受ければ臍帯の切断可能
・立ち合い出産可能(夫のみ)で事前に決められない方は、分娩時その場で決めても可能です
・母乳育児推奨
・母子同室可能
・不妊治療は行っていない
・無痛分娩、和痛分娩行っていません

リニューアル後の産科病棟の実際

友人から聞いたところ、産科病棟はとてもきれいで広々としており清潔感のある病棟のようです。また、分娩時や入院中の助産師の対応がとてもよかったと感じたようです。どの助産師もあいまいな説明はせず、困ったら何でも相談できるような配慮があったと。退院後も心配ならいつでも病棟に電話相談してくださいという声掛けも、退院後の不安が軽減できたと。ホームページに記載のようにまた「ここで産みたい」と思える病院だったと。実際、ママ子もそう感じています。

友人は大部屋は4人部屋を使用。カーテンで仕切られており、プライバシーは守られていると。また、個室を勧められ一度は悩んだようですが、大部屋でよかったと。個室は料金がかさむうえ、常に母子同室を望む方や家族との時間をゆっくり過ごされたい方がおすすめなようです。

LDRでは和室を希望し周りの目を気にせず、産前産後をゆっくり家族との時間も過ごせたところもよかたと感じたようです。長い陣痛中は夫もたたみでくつろげてよかったようです。

LDRの様子 最新のLDR

2017年のLDR 昔のLDR

祝い善の違いは写真の通り、豪華でおいしかったそうです。
出産頑張ってよかったと感じたと言っていました。笑

2020年祝い膳 2017年の祝い膳

前:2020年祝い膳 後:2017年ママ子出産時の祝い膳

まとめ

今回は、静岡県立総合病院についてまとめました。
本記事を参考にご家族と相談して頂き、あなたにとって最適な産院選び、そして元気な赤ちゃんを産んでいただくことが出来ればうれしいです!

↓2017年にママ子が第1子を出産した時の記事はこちらから↓

出産時に各病院の分娩費用って気になるので調べてみるものの、ほとんど詳しい事って書いてありませんよね…。なので、ママ子が実際に静岡県総で出産し...

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