子どもがYouTuberになりたいと言ったら?夢を応援すべき?やめさせるべき?

男の子の「将来就きたい職業ランキング」でYouTuberが1位になるなど、最近はYouTuberが子どもたちに職業として認識され始めています。しかし、大人からすればYouTuberで生きていけるものでないと思ってしまいます。では、子どもがYouTuberになりたいと言ったら、親は夢として応援すべきなのか、考えるのをやめさせるべきなのか、考えてみます。

YouTuberの位置づけ

子どもにとってのYouTuber

学研ホールディングスが2019年12月24日に発表した、2019年度版小学生の「将来就きたい職業ランキング」において「YouTuberなどのネット配信者」が全体ランキングで2位でした。ランキングとしては3年連続で上昇しており、男子全体ランキングでは調査開始以来初めて1位となりました。女子ランキングでは16位タイです。

その他の調査においても軒並みYouTuberのランキングが上昇しており、男女いずれにおいても、子供の中でYouTuberが認識が上がってきているのが現状です。

では、なぜ子供たちはYouTuberになりたいのか?

答えは簡単で、「動画は見ていて楽しい」、「簡単にできそう」、「テレビとは違いSNSなどを使い双方向のやり取りも可能で視聴者と親近感がある」、そして「楽しいのにお金を稼げる」などです。

子どもが憧れるのは仕方ないです。

大人にとってのYouTuber

子どもは簡単になりたいっていうけど、大人から見たら夢物語だと考えます。

なぜならば、
・YouTuberで生計を立てられる人間の数なんてほとんどいない。
・ほんの一握りの人間が大金を手にしているけど、普通の人は儲けられない。
・安定もしていない。
・一時的に成功してもそう長くは続かない。
・楽しそうに見えて、実際は仕事として苦労している。
など、厳しい側面を知っていて、大人からすれば現実的な職業とは考えられません。

また、YouTuberはどうすればなれるのか分からない親も多いかと思います。親がよくわからないので子供になって欲しくないならば、次の時代を生きていく子供にとって不幸なことです。産業は常に変化しています。親がよくわからないことを子供がやるぐらいで丁度いいと思ってください。時代の変化のスピードは加速度的に早くなっています。

夢の職業であるYouTuber

大人にとっては「夢物語」と書きましたが、その通りでYouTuberは夢の職業です。言うならば、子供が将来なりたい職業を「プロ野球選手」「プロサッカー選手」「漫画家」と考えるのと変わりません。そう考えれば、子供がYouTuberになりたいといってもあんまり気にすることはないと思います。

しかし、夢の職業としてのYouTuberが他の職業と違う部分があります。それは、

子どもでもYouTuberなれる

ということです。

そう、国内や海外ではおもちゃで遊ぶ動画をYouTubeにアップして大人気となり、Youtuberとして成功している子供が何人もいます。また、YouTuberは

自分で動画を撮影し、YouTubeにアップすれば、YouTuberである

と言えてしまいます。ある意味、簡単に慣れてしまします。(本当は広告がついて、収入を得られるようになってYouTuberですが…。)

では、子どもでも簡単になれる夢の職業YouTuberをどのように考えればよいのでしょうか。

目標を持つことは大切なこと

夢がなく追いつめられる若者は少なくない

まず、理由がどうであれ、子どもが「YouTuberになりたい!!」と思ったら、それは素晴らしいことだと親は考えましょう。

最近の若者は「やりたいことがない」とか「夢がない」とか巷で言われ始めて久しいですが、実際にマクロミルが2018年1月に成人式を迎える全国の新成人を対象にした調査では、

将来の夢がある新成人は過去最低の54%

マクロミル 2018 年 新成人に関する調査より
調査期間は 2017 年12月15日(金)~12月17日(日)、有効回答数は 500 名。

となっています。

約半分の人は成人した時点で、やりたいことが見つからない現実にぶち当たります。親からすると「別にいいでしょ」、「やりたい事なんて見つからなくてもいいんだよ」と思ってしまいがちです。しかし、周りにやりたいことなどが明確な友達がいたりする中で、やりたいこともないのに大学とか学校で専門分野の勉強したり、就活したり、資格採ったりするのは相当苦痛です。

現代はSNSなどで否応なしに周囲のキラキラが目に入ってきます。そういうことが原因で引きこもったり、仕事が嫌で続かないのが現実起こっていることは知っていてください。

そして、大学生ぐらいになったからやりたいことが見つからないのではなく、得てして小さいころからやりたいことがない子が大半です。そういった子は、親から「こうしなさい」「これになりなさい」など言われて育ち、自分の考えを持たずに育つ子が多いです。

なので、小さいころから自分のやりたい事、ひいては目標を持つ癖は大切です。

なぜ子供がやりたいと思ったのかを教えてもらう

子どもがYouTuberになりたいと目標を持ったら、「なぜなりたいのか?」理由もしっかり確認しておきましょう。この、「なりたい理由」こそが子どもにとって続ける原動力になり、また、子どもをフォローしたり興味を持たせる親の手助けになっていきます。

理由は何でもいいです。「有名になりたい」、「お金持ちになりたい」、「人を楽しませたい」など。それぞれの目標を達成するために「何が必要か?を親が教えるきっかけになります。また、他に目標を達成できる仕事は何があるのかを考えることができ、子どもが興味を持つかもしれません。

経験は将来の財産になる

目標を持ったからには、後は実践するのみです。やってみて分かること、自分の糧となることは代え難い子供にとっての財産です。

自分で考える力、協力してもらう力を養う

どうすればYouTuberになれるのか、どうすれば人気ある動画を作れるのか、収入にはどうすれば繋がるのか、などを自分で考えるだけでかなりの勉強になります

ご両親は説明できますか?

説明できない方が数多くいらっしゃると思います。しかし、現実社会はYouTuber などフリーランスと言われる人が増え、新たな職を生み出し生業を立てています。ですので、現代社会の仕組みを学ぶといった意味で非常に勉強になると思います。

また、ネットの仕組みやIT,IoT,ICT,AIなど現代のテクノロジーについて、子どもはYouTuber を入口に多くの事を勝手に勉強していくと思います。そうして、子どもは自分で学び、考える力を養っていくと思います。

さらに、やっていくうちにわからない事、上手くいかないこと出てくるでしょう。そうした時にネットでまずは調べると思います。それでもダメなら、親や友達、先生、近所のネットに詳しい人に聞いたりもすると思います。親はこの「頼る力」「協力してもらう」をぜひ伸ばしてあげて下さい。Technologyがより発達していく時代、人と協力する力は欠かせないものとなってきます。

やりきることの難しさを知る

実践してみてすぐに、思った通りに進みよい動画が作れ、多くの再生回数を獲得できるといった理想の結果を得られることは少ないでしょう。そもそも、初歩的なことから躓くことが多いかと思います。

「ネタが浮かばない」「動画が取れない」「うまく編集できない」「アップロードできない」「再生されない」など。

そんな中でも、必ず一定の形になるようにやりきるよう後押ししましょう

子どもは思った通りにならないと、すぐに諦めて途中でやめてしまうかと思います。もしその状態を簡単に受け入れてしまうと、途中で投げ出してしまう癖がついてしまう原因に成りかねません。

「いまいちなネタでも」「編集がパッとしなくても」「再生されないと思っても」必ず形にする癖を付けましょう。そうすれば、次回から少しずつ改善し、より良いものを作れるようになっていきます。また、どんなにくだらないものと思っても、完成すれば達成考えられます。逆に、良い感じに進んでいても、未完成で終われば自分はできないと不満を抱えることになります。

やりきることが難しいと知り、やりきることの大切さが子どもの力になっていきます。

失敗してこそ得られるものを学ぶ

どんなに頑張っても、失敗したり、形にならないこともあるかと思います。

親御さんはよくわかるかと思いますが、「必ず成功するわけでない」が現実です。

人間、上手くいくと思っていたことが出来なかったときショックを受けます。そのようなケースが人生のココ一番なら立ち直れないかもしれません。

でも、子どもの時にYouTuber で上手くいかなかったぐらいなら立ち直れます。そして、リベンジする気力もきっと出てきます。

どんなに頑張っても駄目だと学んで、次に頑張る経験は、社会の荒波に揉まれて挫折を繰り返しながら生きていく糧となります。

小さいうちに、小さな失敗を経験することはきっとプラスになります。

大人が手を差し伸べること

ここまで、子どもがやりたいならば実践させてみれば、子どものためになると書いてきましたが、大人は放任し見守るだけでいいのでしょうか?

リスク管理 ~子供を守る~

大人が管理してあげるべきことは、やはりYouTuber になった場合の社会的リスクから守ることです。YouTubeは子どもも参加できますが、子どもの遊び場ではありません。次のようなことには最低限気を付け、子どもを守りましょう。

・個人情報流出に気を付ける
子どもの人生は始まったところです。未来は長いです。良くも悪くもSNSで顔が出たり、個人情報が出てしまうと、その後の人生が大変になることが多いです。炎上動画になってしまっては取り返しがつかなくなるかもしれません。はじめは動画に入らない、顔は隠して撮る、背景や撮影場所に気を付けるなど、最大限の配慮をしましょう。

・法律や規約などを守れるようにフォローする
YouTuber はもはや飽和状態です。簡単に思いつくものでは再生されにくくなっています。そうすると、興味を引けるように過激なことや危険なことをやりがちです。また、YouTubeにない動画を撮ろうと思うが、実はYouTubeの規約違反の動画である場合があります。親として、社会人の先輩として、社会のルールはしっかりと教えて動画撮影時には一歩立ち止まて考えましょう。

・メンタルコントロール
「失敗も大切」、「やりきるように後押しする」と書きましたが、子どもが自分を追い込んでしまっては本末転倒です。また、自分で追い込まずともYouTubeはSNSです。コメントや他のSNSで批判されたり否定されたりする可能性もあります。親の目の届く範囲で、周囲から守ってあげらえるようにも気を付けましょう。親の情報リテラシーも重要になってきます。

フォローする ~現実も教える~

失敗から学んだり、形になったことから達成感を得たり、子ども自ら学ぶことは多いかと思います。しかし、なんとなく感じているけどうまく理解できない事も多々あります。

ですので、状況を子どもに言葉で説明して、フォローしてあげることが非常に需要です。

また、「上手くいかないのは自分だけかな」や「中途半端な形になってしまった」と思っていることもあるかと思うので、実際にうまくいくケースは少ないということも教えてあげてください。その上で、成功する人も初めは失敗するけど、やりきる回数を重ねて成功に近づけていくなど教えてあげるのがいいですね。

成功への協力

最後に、忘れがちですが親ならば最大の成果につながるように協力は絶対に惜しんではいけません。決して、「失敗するだろうけど、とりあえずやってみな」みたいな目で見ないようにしましょう。

あなたもYouTuber で成功できるわけじゃありませんよね?

立場は子どもと一緒です。できる限り一生懸命やりましょう。なにより、

子どもは大人の心を見抜きます。

適当な扱いをされたと思ったら、あなたの事を尊敬しません。本気でやらない親の言うことは、子どもも本気で聞きませんし信じません。親の力が試されますよ。

まとめ

今回は「子どもがYouTuberになりたいと言ったら?」といったお題でまとめましたが、言ってみれば「子供に夢ができたら」というケースに置き換えて考えられると思います。

子どもの成長の機会ですので、リスク管理をしながら、やりたいことを応援してあげることが何よりも重要かともいます。

その上で、成功したこと・失敗したことから、得られるもの学べるものを子供に教えてあげてください。いや、一緒に学んでください!

そうすれば、多くの学びが得られ子供が成長するとともに、親子の絆・信頼関係がより良いものになるかと思います!

楽しい動画待ってますよ!

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